作品を作ったあとに余る、小さな刺繍や端切れの布。捨てるにはもったいないけれど、何に使おうか悩むこともありますよね。そんなときにおすすめなのが、くるみボタンを使ったブローチづくりです。シンプルな道具で手軽に形にできて、ちょっとしたプレゼントやイベント用のアイテムとしてもぴったり。この記事では、刺繍モチーフの活用法から仕上げのポイントまで、くるみボタンブローチの作り方を紹介します。
小さな図案と余り布が活きるアイテム
くるみボタンの魅力は、限られたスペースの中で刺繍の個性を引き出せるところ。図案は直径2〜3cm以内におさまるサイズ感で、はっきりした形のあるものが向いています。たとえば、小花やことり、イニシャルのアルファベットなど、刺していて楽しくなるモチーフが合います。
余った刺繍布も、中央にバランスよくモチーフがあれば十分使えます。図案をくるみボタンの中心にくるように配置し、余白が均等になるよう布を丸くカットして準備します。布に厚みがある場合は、カーブの部分に小さく切り込みを入れると包みやすくなりますよ。
わたしは失敗作の一部や、試し縫いで気に入った部分だけを切り取って使うこともあります。そうすると、思いがけずかわいいブローチが生まれることがあって、ちょっと得した気分になります。
くるみボタンの土台と道具の選び方
くるみボタンを作るためには、ボタンの土台と打ち具が必要です。手芸店やネットショップで、サイズごとにキットが売られているので、はじめてでも扱いやすいです。サイズは20〜30mm程度が扱いやすく、刺繍のモチーフもきれいに見えます。
布を包むときは、ボンドを使うよりも、土台の凹凸に布を押し込んでいくタイプの方が仕上がりがきれいです。表にしわが寄らないよう、少しずつ位置を調整しながら均等に包むのがコツ。最初は練習用に無地の布で試してから、本番の刺繍布を使うと安心です。
裏側に金具をつけるだけで完成度が一気に上がるので、接着前に位置確認をして、左右のバランスにも気をつけましょう。
ブローチ金具の取りつけと裏側の工夫
刺繍を包んだくるみボタンの裏に、ブローチピンを接着すると完成です。市販の安全ピン型のブローチ金具のほか、回転式のものも使いやすいです。接着剤は布用や多用途タイプの強力なものを選ぶと、外れにくくなります。しっかり乾かす時間も確保しておきましょう。
裏側をさらに整える場合は、ブローチ金具の土台に合わせてフェルトを丸く切って、カバーとして貼る方法もあります。こうすることで、見た目が整うだけでなく、ピンのぐらつきも抑えられます。
イベントで複数作って並べるときは、台紙にセットしたり、透明袋に入れてラッピングしたりすると、作品としてのまとまりも出て見栄えが良くなります。ひとつずつ個性のあるブローチを並べて眺める時間は、わたしにとっても制作のごほうびのようなひとときです。